みなさんは「ギャンブルにハマる心理」をご存知ですか? それを説明するために、まずはスキナーという学者がやった有名な実験をご紹介したいと思うのです。 彼はレバーを押すとエサが出てくる装置を設置した箱の中に、空腹のネズミを入れてその行動を観察しました。 そこでねずみが動き回っているうちに偶然レバーに触れると、エサが出てくるのです。 そして、レバーに触れてエサがもらえるということを繰り返しているうちに、 ねずみは「レバーを押せばエサがもらえる」ということを学習するのです。 一度学習すると、いったん箱から出して時間をおいた後に再び箱に入れてもレバーを押すという行動をとるようになるのです。 これをオペラント条件付けというんですが、この辺は学術の範囲なので省略したいと思うのです。 ここからが本題なのです。 彼はレバーを押せば必ずエサがもらえるグループと、 レバーを押しても必ずエサがもらえるわけではないグループの2種類を用意したのです。 ここでは、レバーを押しても必ずエサがもらえるわけではないグループのネズミも、 「レバーを押せば時々エサがもらえる」ということを学習するのです。 その状態で、双方ともにレバーを押すことを学習した後、 両グループともレバーを押してもエサを与えることを一切やめたのです。 すると、必ずエサが出てきていたグループのネズミは 「エサが出てこない」とあきらめてレバーを押さなくなったのに対し、 レバーを押してもエサがもらえなかったことがあるグループのネズミは レバーを押し続けるのをやめなかったのです。 このねずみの中では『今回は貰えなかったが、次は貰えるかもしれない』という期待が生まれており、 それが無くなってからも、その期待が反応を続けさせていたというわけなのです。 ギャンブルにハマる心理というのはこういった心理なのです。 これを心理学では部分強化と呼んでいるのです。前者のは連続強化または全強化と言われているのです。 もちろん、この部分強化はギャンブルだけの話ではないのです。 恋愛も同じです。たまに起きるからこそ、待ち望む。それゆえ中々忘れられなくなることだってあるのです。 例えば、メールの返信などでも起きるのです。 お父さんの女友達の子の話ですが、彼女はメールの返信が遅く、よく返信が途切れてしまうのです。 だけど、それを申し訳ないと思っているせいか、時々かなり遅れたタイミングで返信を返したり返さなかったりするのです。 これを繰り返していたおかげで、彼女はある男性から約一年にも渡ってアプローチされ続けたということがあったそうなのです。 この状況はまさしく「部分強化」だと思うのです。 部分強化は意識的に使うには非常に難しいものですが、 これで起きた感情は中々消えにくいということだけは覚えておいてくださいなのです。