スリーパー効果とは説得する人が信頼できる人物であるかどうかでその説得の信憑性が変わっていくのですが、 その信憑性は時間と共に薄れていくという効果のことなのです。 簡単に言いますと、信頼できない人からのメッセージでも 時間が経つことによってそれが信頼できる情報にすり替わってしまうことがあるということなのです。 これについては、ホブランドが行った実験がわかりやすいので紹介するのです。 ホブランドは、学生らに抗生物質の使用についての簡単な勉強をさせた後に、 抗生物質の使用に賛成か、反対かの意見を聞きます。 その後、賛成の学生たちには、抗生物質の使用に否定的な記事を読んでもらい、 反対の学生たちには、肯定的な記事を読んでもらいました。 それから、それぞれのグループをさらに2つに分け、 一方には、今読んでもらった記事は医学専門雑誌のものと伝え、 もう一方には、大衆雑誌のものだと伝えました。 その結果、医学専門雑誌の記事と伝えられた学生の23%が意見を変えましたが、 大衆雑誌の記事と伝えられた学生は7%しか意見を変えませんでした。 これは以前お伝えしたハロー効果の特徴の一つで、権威のある人の意見が説得力に影響するという効果なのです。 この場合、医学専門雑誌の方が権威が高いので、このような結果になるわけなのです。 ところが、問題はこの一か月後なのです。 1ヶ月後に意見変更があるかを確認したところ、大衆雑誌の情報に触れたと伝えられていた学生の方が 意見を変えている人が多くなっていたのです。 信憑性のない記事だからと信じなかった学生たちが、 スリーパー効果によって1か月のうちに大衆記事の影響を受けていたということなのです。 これを恋愛に使うならば、相手に対して、「カッコいいね」「可愛いね」「素敵だね」と言うのです。 最初は相手に信じて貰えないかもしれませんが、そう言われたことが記憶の片隅に残り、 スリーパー効果によって相手の印象が良くなっていくのです。 時が経つにつれ「褒められた内容」のみが相手に残りますので、 例え、褒め過ぎたとしても、相手は徐々にそれを受け入れていくのです。 これこそがスリーパー効果の使い方なのです。 キャバ嬢の方々が「カッコいい」とか「モテそうですね」とか褒め過ぎなことをするのもそれなのです。 最初はお世辞だと思っていても、そのうちそのキャバ嬢さん目当てにそこに通いだすという男性も多々見受けられますので、 効果はあるとぼくは思っているのです。 これのコツは、最初のインパクトが大きくわかりやすいことなのです。 つまり、「カッコいい」や「綺麗」、「可愛い」などのわかりやすいものなのです。 時が経つにつれ、ジワジワ効いていくスリーパー効果、試してみるのも面白いのです。